【G1 CLIMAX32】宮城・仙台大会!プロレスの面白さが凝縮されたメインイベント【仙台大会】

2022年8月5日

「記録的猛勝負」と銘打たれたG1 CLIMAX32 大会3日目。本日は宮城・ゼビオアリーナ仙台大会。この日のG1公式戦のカードはデビット・フィンレー vs 高橋裕二郎、タマ・トンガ vs チェース・オーエンズ、ランス・アーチャー vs バッドラック・ファレ、内藤哲也 vs 後藤洋央紀。

本日のカードでやはり目立つのはランス vs ファレの大巨人対決。オカダ vs コブ戦ではリングの板が外れてしまうという事態が起こったそうですが、この2人はさらにサイズが大きい。リングが無事に済むのか心配でした。

個人的には、久々のフィンレーと、バレットクラブへのリベンジに燃えるタマ・トンガに勝利してもらいたいと思っていたのですが、いかんせんどちらの相手もくせ者。何があってもおかしくないよなぁ….と嫌な予感がありました。

本当にG1は勝敗予想が難しい。正直、今日の公式戦の予想は見事に全部ハズレ。

ただ試合自体はどれもいい試合ばかり。その中でもメインの試合はやはり格別に心を打つものがありました。

これぞプロレスという姿を見ることができた今日のメイン

後藤洋央紀 vs 内藤哲也。両者の直接対決の戦績は5勝4敗で内藤選手の勝ち越し。これだけ見るとあまり差がないように見えますが、直近の戦績で見ると後藤選手は6年間1度も内藤選手に勝利がありません。内藤選手がロスインゴに入ってからは1度も勝てていないということになります。

今日の試合も序盤から内藤選手が試合のペースを握っていたように思います。ロープぎわでのクリーンブレイクと見せかけた奇襲であったり、リング外へのエスケープだったり…。後藤選手も反撃を見せつつペースを取り返そうとしますが、どうしても内藤選手に試合のコントロールをされてしまっていました。

正直、中盤くらいまでずっと後藤選手は内藤選手の攻撃を受け続けていたように思います。

流れが変わってきたかな、と思ったのは内藤選手に頭部への蹴りを入れられ続けた際に、受けながらも気迫を見せたシーンあたりからだったと思います。この時の後藤選手の姿が本当に格好いい。攻められ、技を喰らいながらも観客を魅了することができるのはプロレスラーならではだなと感じました。

この後も内藤選手の波状攻撃は続きますが、だんだん後藤選手も技を出すようになってきます。

昇竜結界 => 変形昇竜結界で締め上げる。地獄車、牛殺しと投げを連続で叩き込む。その後GTRを狙いにいったところを返され、流れの中でコリエンド式デスティーノを受けてしまうも、その後の正調デスティーノやバレンティアを切り返し、コーナーポストをYOSHI-HASHI代わりに使って「ひとり消灯」を叩き込む。

ひとりでも「せーの」と叫んでいたところにYOSHI-HASHI選手との愛を感じるとミラノさんは言っていましたが、後藤選手はこの時内藤選手に勝つために今の自分の力全てをぶつけようとしていたように見えました。

近年後藤選手はYOSHI-HASHI選手とのタッグでベルトを取るほど結果を残しており、自分の持つ力の中には当然このタッグ戦線で培った技術も含まれているでしょう。このタッグで得られた力も含めてすべてをぶつけようとする中でこの「ひとり消灯」が出たのはある意味とても自然なことなのかなと思います。

数日前に公開された内藤選手へのインタビューの中で、後藤戦に関しては「タッグのほうに力を入れているという部分で、最後のシングルのときよりもちょっと考えかたの変わった後藤洋央紀を味わえるのは、楽しみと同時に、いいスタートが切れそうかなとは思ってます……。」と語っていたのですが、まさにこのタッグ戦線を経て変わった後藤洋央紀を味わったのではないでしょうか。

「“終わってみれば、内藤の『G1』だったね”と皆様が思うような夏にしたい」Cブロック出場・内藤哲也選手に直撃インタビュー!! 最後は“ファン目線”で優勝予想!!【G132】

この後、後藤選手はGTR、内藤選手はバレンティアと、お互いの大技を出し合いどちらが勝ってもおかしくない攻防が続きます。最後は、内藤選手の正調デスティーノを切り返して昇天・改からのGTRを決めた後藤選手が3カウントを決めて勝利しました。

今回、昇天・改を決めて勝利したところもまたグッとくるところで、というのも後藤選手がケイオスに入ったきっかけは2016年 NEW JAPANカップ決勝での内藤戦で敗北したことだったのですが、その時は昇天・改を返されてしまっているのです。

先述の内藤選手へのインタビューでは「そもそもあなたがCHAOSに行った理由はなんでしたっけ?」と、現在後藤選手がシングル戦線であまり存在感を出せていないと言わんばかりの発言をされてしまっていたのですが、今回、あの時返されてしまった昇天・改のGTRで勝利したことで、この発言に対して過去のストーリーも回収する完璧なアンサーを後藤選手はしてくれたと思います。

東京スポーツ CHAOS入り洋央紀の真の狙いとは

プロレスの魅力のひとつである受けの美学。相手の技を受けて攻めを受け続けて最後にそれを上回って勝つカタルシス。プラス過去から続く選手同士の因縁やストーリー。今日のメインではこの両方を濃厚に感じることができ、純度の高いプロレスの楽しさを味わうことができたなあと幸福な気分です。

最後の締めも非常に良かった。最後までいつものあの言葉は聞けなかったけれど「最後の最後まで、生きて生きて、いきまくるぞ!」というのも素晴らしいメッセージだったと思います。後藤選手が最後まで勝利したその時こそ、今封印しているあの言葉を聞けることでしょう。その瞬間を見れることを楽しみにしたいと思います。

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そして今大会の結果を受けての星取り表は下記のとおりです。

次の試合は7/23・24の大田区総合体育館大会2連戦。

23日にはオカダvs矢野戦 や 石井vsジェイ戦、

24日にはSANADA vs タイチ戦や棚橋vs内藤戦が控えています。

棚橋選手か内藤選手はどちらか必ず2連敗ということになってしまうんですね….両者ともに負けられない戦いになるため、一層気合の入った試合が楽しめそうですね。

その他のカードはこちら(23日24日)からどうぞ。

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真夏の祭典 G1 CLIMAX32 絶賛シリーズ開幕中!!