【G1 CLIMAX32】棚橋弘至、意地と執念で薄氷の勝利!新日本のエースの壁は高く厚い【大田区大会2日目】
「記録的猛勝負」と銘打たれたG1 CLIMAX32 大会5日目。今日7/24は大田区総合体育館での2連戦2日目でした。この日のG1公式戦のカードはエル・ファンタズモ vs 高橋裕二郎、 SANADA vs タイチ、ジェフ・コブ vs バッドラック・ファレ、そして内藤哲也 vs 棚橋弘至。
今日も語りたい内容が山ほど出てきた大会でした。勝ち星とピーターさんとの闇取引を持ちかけて結果全てを失ってしまった裕二郎選手。ライバルチームに所属しながらも不思議な絆のあるタイチ選手とSANADA選手。160kgを投げ切って怪物ぶりを改めて見せつけたコブ選手(リングが可哀想だった)…
それぞれ取り上げたら時間がかかってしょうがないほどのいい試合内容でしたが、やはり今日はメインの内藤vs棚橋戦をハイライトするほかないでしょう。それほどの驚きと「プロレスらしさ」のあった試合だと思います。
新日本の太陽、未だ沈まず
棚橋選手と内藤選手のストーリーは広く知られているところで、棚橋選手は内藤選手の憧れであり越えるべき壁であり続けました。
ただし2017年、内藤選手が棚橋選手を破ってから直近数年の戦績を振り返ってみると棚橋選手は内藤選手からほとんど勝ち星を上げられていません。棚橋選手本人もそういう印象があるようです。
(内藤選手と棚橋選手のストーリーは「新日学園 内藤哲也物語 」というマンガを読むとよくわかると思います)
今年春のニュージャパンカップでも内藤選手に敗れており、内藤選手はG1直前のインタビューで今の棚橋選手に対して辛い評価をしていました。
実際、今日の試合も内藤選手がずっとペースを握っていたように思います。内藤選手の執拗な首攻め、一点集中攻撃にとても苦しめられていました。ドラゴンスープレックスやツイスト&シャウト、サンセットフリップと見せかけてからの膝へのフットスタンプなどで反撃の機会を掴もうとするも完全にペースを奪うまでには至りませんでした。
内藤選手は中盤早いタイミングからエスペランサ、雪崩式フランケンシュタイナー、グロリアなどの大技を仕掛けていきます。棚橋選手の意地のスリングブレイド3連発からのハイフライアタックの後、ハイフライフローをかわしてジャックナイフを仕掛けた内藤選手がその後バレンティアを決め、これであとはフィニッシュホールドであるデスティーノを決めて試合が決まる。そんな展開だろうと確信していました。
正調デスティーノのモーションに入り、これで決まりと思った瞬間、エースが雄叫びと共に内藤選手をクルッと丸め込み、そのままスリーカウントで勝利を掴み取りました。
確かにエースにはこれがあった。限界まで攻められて、相手の勝利がほぼ決まるというタイミングで一瞬の隙をついてのスモールパッケージホールド。こういう戦い方もプロレスにはある、と棚橋選手がバックステージで語っていたことを思い出します。
最後の展開的には昨日のYOSHI-HASHI vs鷹木戦と類似しています。特に勝者が苦しい顔でリングに横たわり、敗者は信じられないという顔で座り込んでいるという構図はまさに昨日の試合で見たものそのままでした。
確かに棚橋選手は身体的にはピークは過ぎており、身体能力で他の選手に及ばなくなっているかもしれません。ただし、それをはいそうですかと受け入れるつもりは全くないという棚橋選手の強い意志を今日の試合からは感じられたような気がします。
内藤選手という大きな山をひとつ超えた棚橋選手。「ちょっくら優勝してきます」という言葉、本当に期待してもいいかもしれません。
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その一方で内藤選手は2連敗という非常に厳しい状況になりました。今年は6戦しかないことを考えると、もう1戦も落とせません。ニュージャパンカップでは敗北を喫し、自身も苦手と公言するザック・セイバーJr選手との試合が今後残っていることを考えると崖っぷちの状況です。ただ、開幕連敗からの残りの試合全てを連勝でグループリーグを突破する例もあります。ここからの逆転の内藤哲也が見られるのか、今後も期待です。
そして個人的に気になるのはピーターさんと裕二郎選手の今後…。ピーターさんを巡るファンタズモとの因縁が今後どういう展開を迎えるのかは非常に気になります。
そして今大会の結果を受けての星取り表は下記のとおりです。
次の試合は7/26・27の後楽園ホール2連戦。
26日にはオーカーン vsオーエンズ戦 や フィンレー vs ジュース戦、
27日には矢野 vs ファレ戦や石井 vs タマ・トンガ戦が控えています。
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