メタ、Meta Quest2の大幅値上げを決定 日本でのVR普及に逆風か

現地時間7月26日、米国企業メタは自社のVRVRヘッドセット「Meta Quest 2」の値上げを発表しました。

IT Media News : 「Meta Quest 2」、8月1日から2万円以上の値上げ

値上げは8月1日からの予定で、新価格とは下記のとおりそれぞれのモデルで2万円以上の値上げとなる予定です。

  • 128GBモデル:(現在) 37,180円 → 59,400円
  • 256GBモデル:(現在) 49,280円 → 74,400円

値上げの理由は、「VRエコシステム発展のため」に、「長期的な投資を続け、業界最高水準のハードウェア、ゲーム、そして今後の次世代デバイス開発のためのR&Dによって、VR業界をさらに前進させ続けるため」と説明されています。

この2万円以上の価格の上昇に対しては驚きの声や嘆きの声が上がっており、「強気の値段設定」「気軽に勧められる値段じゃなくなった」「高すぎ」「日本のVRは終わった…」と全体的に悲観的なムードが感じられます。

一方で「まあ本来これくらいの価格でもおかしくない」「スペック的に見ればこれまでがむしろ安すぎた」「もともとハードウェアが普及するように価格を抑えていた」と擁護する声もありますが、この価格の上昇がVRの普及の障壁となる可能性は誰もが認めるところでしょう。

LINEリサーチが昨年の6月に実施した、現在のVRの現状と認知度に関する調査によると、VRの「認知度」は90%を超えるものの、現在使っていると回答した「現在利用率」は5%、過去に使ったことがあるが今は使っていないという「利用経験率」は16%という結果でした。

@DIME :認知率90%、利用率5%、実用化されて久しい「VR」は普及するのか?

また、矢野経済研究所は2022年5月に発表したレポートで、ヘッドマウントディスプレイの国内出荷台数が2021年に72万台となり、2023年には100万台を突破するという予測をしています。

IT Leaders :VR/AR/MRヘッドマウントディスプレイの2021年国内出荷台数は72万台、VR向けが大半─矢野経済研究所

今回の値上げが今後のVRの普及にどれだけの影響を及ぼすことになるのか注目していきたいと思います。